ダブルスーツは重厚感のある見た目から、「ビジネスで着ても問題ないの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。以前は限られた場面で着用される印象がありましたが、近年はデザインの変化により比較的取り入れやすくなっています。
本記事では、ビジネスシーンでダブルスーツを着用する際の考え方をはじめ、種類ごとの特徴や選び方のポイント、適したシーンまでわかりやすくまとめました。着こなし次第で印象も大きく変わるので、ぜひ上手に取り入れてみてください。
ビジネスでダブルスーツを着用しても良い?

ダブルスーツはビジネスシーンでも着用できます。ただし、場面や立場によっては取り入れ方に気を配っておきたいところです。まずは以下の観点から、基本的な考え方を確認していきましょう。
- 基本的には着用OK!
- 業種によって相性の良し悪しがある
基本的には着用OK!
基本的に、ダブルスーツはビジネスシーンでも着用できます。現在は細身でバランスの取りやすいデザインも増えており、従来のダブルスーツよりも比較的取り入れやすくなっています。
一方で、シングルスーツに比べると着用している人はそう多くはないことも事実。存在感が出やすいため、職場の雰囲気や立場によっては控えめにしたほうがよい場面もあります。
特に若手のうちや、まだ社内での立場が定まっていない場合などは、まずはシングルスーツから揃えておくと無難です。状況を見ながら段階的に取り入れていくと使いやすいでしょう。
業種によって相性の良し悪しがある
ダブルスーツは、業種や職場の雰囲気によってなじみやすさが変わります。取り入れる際は、社風や周囲のスタイルを参考にしながら選ぶようにするのがおすすめです。
例えば、金融・法律・保険・商社など、伝統を重んじる雰囲気の業種では、ダブルスーツの「きちんと感」が好印象につながりやすく、相性の良いスタイルといえます。落ち着いた色味や端正な着こなしを意識することで、より信頼感のある印象を与えられるでしょう。
一方で、ITやデザイン、広告など、自由度が高く軽やかなスタイルが好まれる業種では、ダブルスーツを選ぶとやや堅く見えてしまう場合も。取り入れる場合は、素材や色味、インナーで抜け感を出すなど、社風に合わせてバランスを調整してみましょう。
ビジネススーツの「ダブル(ダブルブレスト)」とは?

ビジネススーツのダブル(ダブルブレスト)とは、ジャケットの前ボタンが縦2列に並んだスーツのことを指します。以下では、シングルスーツやスラックスの「ダブル仕様」との違いも踏まえてポイントを解説します。
- ジャケットの前ボタンが縦2列に並んだスーツのこと
- シングルとの違い
- スラックスのダブル仕様との違い
ジャケットの前ボタンが縦2列に並んだスーツのこと
ダブル(ダブルブレスト)とは、ジャケットの前ボタンが縦2列で並んでいることが特徴です。前身頃が重なる作りになっており、胸元からウエストにかけてしっかりとしたラインが出やすい形です。
デザインは軍服に由来しており、威厳のある重厚な印象が特徴。シングルスーツ(シングルブレスト)と比べると生地の重なりがある分、重厚感が出やすい傾向があります。以前はルーズなシルエットが主流でしたが、近年はシルエットがすっきりしたタイトなモデルも増えており、従来よりも軽やかに着こなせるタイプも登場しています。
詳しくは後述しますが、ボタンの数は4つのタイプと6つのタイプがあり、左側や右上のボタンは主に飾りボタンになっています。
シングル(シングルブレスト)との違い
スーツのジャケットには大きく「シングルブレスト」と「ダブルブレスト」の2種類の仕様があります。異なるのは、フロントの重なり具合。
「シングル」は重なっている部分がほとんどなく、「ダブル」は二重になっている部分が深いことがポイントです。フロントを留めるボタンの列も異なり、「シングル」は1列、「ダブル」は2列になっています。
シングルは前ボタンが1列に並んだ、シンプルで使いやすい形。ビジネスシーンでは、スタンダードなシングルが主流とされています。TPOに応じて使い分けましょう。
関連記事|スーツのボタンは開ける?ジャケットやベスト着用時の留め方マナーやアレンジのコツ
スラックスのダブル仕様との違い
スーツでいう「ダブル」には、ジャケットだけでなくスラックスの裾の仕様を指す場合もあります。スラックスのダブルは、裾を折り返して仕立てるスタイルのことを指します。
ジャケットのダブルとはまったく別の仕様なので、混同しないように注意しておきましょう。
関連記事|【スーツ】スラックスの「ダブル」とは?シングルとの違い・選び方を解説!
ダブルスーツの種類

ダブルスーツは、ボタンの数や掛け方によって主に以下の種類に分かれます。それぞれ見え方や雰囲気が異なるため、ビジネスで取り入れる際は違いを知っておくと選びやすくなります。
- 6つボタン
- 4つボタン
6つボタン

6つボタンは、前ボタンの配列が2列、ボタンの数が6つ並んだデザインで、ダブルスーツらしさがしっかり出るタイプ。前身頃の重なりが大きく、重厚感のあるスタイルにまとまりやすいのが特徴です。
通常のシングルスーツよりもボタンの数は多いですが、上段のボタンは飾りです。真ん中のみ、または真ん中と下ボタンを留めて着用します。最近では、下ボタンのみを留めてこなれた着こなしをする方もいます。
一般的に「ダブルスーツ」というと、このタイプを指すことが多いでしょう。
4つボタン1つ掛け

4つボタンは、前ボタンが上下に2つずつ並んだタイプです。上のボタン1つだけを留めたり、上下2つとも留めたりと、好みに合わせて着るのが主流。留め方でアレンジしやすく、ダブルスーツの中でも比較的軽やかなので、すっきりとした雰囲気にまとまりやすいのが特徴です。
前合わせの重なりも控えめなので、ビジネスシーンでも使いやすいバランスです。初めてダブルを取り入れる場合にもなじみやすいでしょう。
ビジネスでダブルスーツを着用するメリット

ダブルスーツは、シングルスーツとは違った雰囲気で着こなせます。ここでは、ビジネスでダブルスーツを着用する主なメリットをご紹介します。
- おしゃれな着こなしで差別化できる
- 重厚感がありフォーマルな印象になる
おしゃれな着こなしで差別化できる
ダブルスーツはシンプルなアイテムと組み合わせれば、ビジネスシーンでも悪目立ちすることはありません。一方で、ダブルスーツはシングルスーツほど着用している人が多くはないため、周囲と少し違った雰囲気を出したい時に差別化できます。
「取引先に少しでも覚えてもらいたい」「毎日同じような格好をしている」といった場合に、個性を出したり、気分を変えたりできるでしょう。
重厚感がありフォーマルな印象になる
ダブルスーツは「重厚感」「フォーマル」といった印象を与えやすいデザインです。ボタンが多く、かっちりとしたきちんと感のある印象・信頼感を後押しするスタイルにもつながります。
重要な商談やビジネスシーンはもちろん、結婚式や式典、パーティなど、格式の高いイベントでの着用にもおすすめです。
ビジネスで好印象なダブルスーツの選び方

初めてダブルスーツを選ぶ場合、「どのように選べば良いのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。ここでは、ビジネスで好印象なダブルスーツの選び方のポイントをご紹介します。
- 控えめなカラー・デザインを選ぶ
- ジャストサイズのものを選ぶ
- 着丈の長さでイメージをコントロール
控えめなカラー・デザインを選ぶ
ビジネスで着用する場合は、ブラックやネイビー、グレーなどの落ち着いたベーシックカラーを選ぶと取り入れやすいでしょう。ダブルスーツはデザイン自体に存在感があるので、柄も無地や控えめなストライプなど、シンプルなものを選んでおくとまとまりやすくなります。
ジャストサイズのものを選ぶ
シングルスーツでもフィット感は大切ですが、ダブルスーツはよりジャストサイズのものを選ぶようにするのがおすすめです。特に大きすぎるサイズを選ぶと重たい印象になりやすいので、注意しましょう。
肩幅や着丈、ウエストまわりのフィット感を確認しながら、自分の体に合ったサイズを選んでおきましょう。試着の際は立った状態だけでなく、動いたときのバランスも見ておくと安心です。
関連記事|失敗しないスーツの選び方!マナーやサイズ選びの基本や年齢別のポイントを紹介
着丈の長さでイメージをコントロール
ダブルスーツを選ぶときは、着丈のバランスにも着目してみましょう。着丈は短めだとモード、長めだとクラシックなイメージになります。
スタイリッシュなイメージで着用したい場合は、タイトで短めの着丈のデザインがおすすめです。シルエットがスリムになり、コンパクトに着こなせます。一般的にはヒップが隠れる程度の長さが目安とされていますが、短めの場合はヒップの半分ぐらいまでを目安に調整してみましょう。
一方、オーバーサイズやルーズなシルエットの場合は、着丈は長めにするのがおすすめです。
ビジネスでダブルスーツの着用がおすすめな人

ダブルスーツが気になっていても「自分に似合うか心配」という方もいるかもしれません。ダブルスーツは誰でも着用できますが、特にダブルスーツの着用がおすすめな人は以下の通りです。
- 役職や社会的地位の高い人
- 体格が良い・高身長の人
役職や社会的地位の高い人
ダブルスーツはシングルスーツと比較して貫禄のある雰囲気になるので、役職に就いている方や、対外的な立場で仕事をする機会が多い方には特におすすめです。
ボリューム感があり、体を大きく見せてくれる効果も期待できます。自信のある堂々とした佇まいを演出したいときにはぴったりでしょう。
体格が良い・高身長の人
ダブルスーツは、体格がしっかりしている方や高身長の方とも相性が良いとされています。筋肉質な方やスポーツをしている方が着用すれば、よりたくましく、バランスの良い着こなしに。特に肩幅が広く胸板がある方にはおすすめです。
また、華奢な方や細身の方も、半身に適度なボリュームを加えることができ、体格をより良く見せる効果が期待できます。ただし、サイズ感が合っていないと着られている印象になりやすいため、シルエットやフィット感に注意しましょう。
ビジネスでダブルスーツがおすすめのシーン

ダブルスーツはもともと軍服やクラシックな正装をルーツに持つため、フォーマル度が高く、威厳や信頼感を演出しやすいことが特徴です。立場・場の空気・相手との関係性をコントロールしたいシーンで特に真価を発揮できるでしょう。
以下では、ビジネスでダブルスーツがおすすめのシーンをまとめました。
- 商談
- 会食・パーティ
- 秋冬シーズン
商談
ダブルスーツは前合わせが深くVゾーンが狭くなるため、シングルスーツに比べて重心が高く、構えが安定して見えるメリットがあります。こういった視覚効果により、相手に対して「落ち着き」「主導性」「信頼感」を与えやすくなります。
特に、以下のような商談にはおすすめです。
- 価格や条件交渉など、主導権が重要な場面
- 経営層・役職者同士の打ち合わせ
- 初対面で信頼獲得が必要な場面
ただし、相手や業界によってはやや重く感じられる場合もあるため、事前に雰囲気を確認しておきましょう。
会食・パーティ
会食やレセプションでは、「フォーマルすぎず、軽すぎない」バランスがポイント。ダブルスーツは仕事着の延長でありながら、装いに格を加えられる装いです。
- 重要な取引先との会食
- ホテル・格式ある会場でのパーティ
- 社内外の交流イベント(役職者が多い場など)
シングルスーツではやや無難に見える場でも、ダブルスーツにすることで「きちんとしている人」という印象を一段引き上げる効果が期待できます。
秋冬シーズン
秋冬シーズンの着こなしにもおすすめです。ダブルスーツは生地の重なりがあるため、厚み・保温性・重厚感が出やすい設計です。フランネルやツイードなどの秋冬素材と非常に相性が良く、コート着用時でもラペルの存在感が負けることがありません。
ニットやベストとの重ね着も相性も良く、季節感のある着こなしとして取り入れるのにぴったりです。
ビジネスでダブルスーツを避けるべきシーン

一方で、ダブルスーツはすべてのビジネスシーンに適しているわけではありません。立場・関係性・ドレスコードによっては過剰に映る場合があります。
ここでは、着用を控えたほうがよい代表的なシーンを解説します。
- 就活・面接などのリクルートシーン
- 職歴が浅い・入社したばかりの場合
- 社内の打ち合わせ・カジュアルミーティング
- クールビズ指定でのオフィス出勤
就活・面接などのリクルートシーン
就職活動や面接などのリクルートシーンでは、協調性・素直さ・清潔感などが重視される傾向にあります。ダブルスーツは構造上どうしても印象が強く残りやすいため、「自己主張が強い」「意図的に外している服装」という印象を与えやすくなります。
リクルートシーンでは、シングルスーツを選んでおくと安心です。具体的な選び方やマナーについては、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事|リクルートスーツとは?ビジネススーツとの違いやどこで買うかも紹介
関連記事|リクルートスーツの値段の相場と、お買い得情報を一挙ご紹介
職歴が浅い・入社したばかりの場合
入社して間もない時期や職歴が浅い段階では、服装も周囲とのバランスを意識しておきたいところです。ダブルスーツは存在感が出やすいため、実際の立場と服装にギャップがあると、違和感につながることがあります。
特に年功序列や上下関係が明確な企業では、まずは職場の雰囲気に慣れることを優先して、シングルスーツを中心に揃えることがおすすめです。周囲のスタイルを見ながら、タイミングを見て取り入れてみましょう。
社内の打ち合わせ・カジュアルミーティング
社内での打ち合わせやカジュアルなミーティングでは、過度にフォーマルな装いは少し浮いてしまうことがあります。ダブルスーツは状況によっては重く感じられることがあるかもしれません。
特にフラットな議論やアイデア出しの場では、少し力を抜いた装いのほうが向いているケースも多いでしょう。シーンに応じて使い分けることがポイントです。
関連記事|カジュアルスーツとは?着用シーン別の着こなしポイントとおすすめのアイテムをご紹介
クールビズ指定でのオフィス出勤
クールビズは本来、軽快さ・機能性・温度調整のしやすさを重視したドレスコードです。一方、ダブルスーツは構造的に前身頃の重なりが多く、通気性が低くなりやすいデザインです。
絶対にNGというわけではありませんが、クールビズ期間は無理に取り入れず、軽さ・実用性を優先した装いに切り替えるのがおすすめです。
ビジネスでダブルスーツを着る際の注意点

ダブルスーツは存在感が出やすいアイテムのため、着こなし方にも少し気を配っておきたいところです。
- 威圧感を出しすぎない
- 着崩しすぎない
威圧感を出しすぎない
ダブルスーツは重厚感が出やすい分、組み合わせによっては強い印象になりすぎることがあります。コーディネートを組む際は、Vゾーンや色合わせで印象をコントロールすることがポイントです。
威圧感を出しすぎずに柔らかさを出したい場合は、以下のように「引き算」を意識したアイテム選びがおすすめです。
- ネクタイ…ネイビー・グレー系の無地〜小紋で抑える
- シャツ…サックスブルーなどで柔らかさを加える
- サイズ感…ジャスト〜やや絞りのあるシルエットを選ぶ
着崩しすぎない
ダブルスーツはかっちりとしたデザインであるため、無理にカジュアルダウンすると違和感が出てしまいます。スニーカーやTシャツなど、カジュアルなアイテムは取り入れるのが難しいでしょう。
カジュアルに寄せたい場合は、ニットタイやローファー、柔らかめのシャツなど、比較的フォーマルライクなアイテムの中から選ぶのがおすすめです。
ビジネスシーンでのダブルスーツに関するよくある質問
ダブルスーツは取り入れ方に迷うことも多いアイテムです。ここでは、ビジネスシーンで気になりやすいポイントを中心にまとめました。着用前の参考にしてみてください。
Q. ビジネスシーンでダブルスーツを着るときのマナーは?
ダブルスーツを着用する場合も、基本的なマナーはシングルスーツと変わりません。清潔感やサイズ感、TPOを意識することが大切です。
ただし、存在感が出やすいため、着用シーンには注意しましょう。また、サイズが合っていないとだらしなく見えやすいため、フィット感にも注意が必要です。
Q. 女性もビジネスシーンでダブルスーツを着用して良い?
もちろん問題ありません。近年はレディース向けのダブルジャケットも増えており、ビジネスシーンでも取り入れやすくなっています。メンズと同様、ビジネス向きのデザインを選びながら、ぜひ取り入れてみてください。
Q. ダブルのスーツは時代遅れ?
ダブルスーツは昨今のクラシック回帰の流れもあり、現在再び注目されているスタイルのひとつです。シルエットやデザインも現代的なものが増えています。取り入れ方によっては今のスタイルにもなじみやすく、トレンドとしても選ばれています。
ダブルスーツを着こなすコツについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事|ダブルスーツをお洒落に着こなす!コーデのコツやおすすめアイテムを紹介
ビジネス向けのダブルスーツはスーツセレクトまでご相談を
ダブルスーツは、シルエットやサイズ感、デザインの選び方によって着こなしの仕上がりが変わります。自分に合った一着を選ぶことで、無理なく取り入れやすくなります。
どのようなダブルスーツが似合うのか、また、TPOに適しているかどうか等を知りたいときは、店舗で試着したり、プロからのアドバイスをもらったりすることもおすすめです。
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