服とは?喪服との違いや種類・着用マナーを紹介


礼服と喪服の違いについてお悩みの方は多いのではないでしょうか。特に急な弔事の場合、喪服を新調する余裕のない方もいるかもしれません。

「礼服と喪服は何が違うの?」

「急なお葬式で喪服を用意することが難しい」

「礼服やビジネススーツでお葬式に参列しても良いものだろうか…」

このようなお悩みを抱えている方に向けて、本記事では礼服と喪服の種類、考え方についてわかりやすく解説します。

礼服にはさまざまな種類があり、喪服は礼服のうちの1つに含まれます。そのため、素材やデザインによっては結婚式などの慶事とお葬式とでスーツを兼用することも可能です。

とはいえ、もちろん慶事と弔事では、合わせるべき小物や着用マナーが異なります。

ご自身で選ぶのが大変だと感じる場合や、マナーが気になる場合は、プロに相談しながらベストな装いを探すのもおすすめです。

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まずは礼服と喪服についてしっかり理解したいという方は、ぜひ本記事を最後までご一読ください。

礼服とは?

礼服とは、冠婚葬祭全般で着用できる服のことをいいます。英語では「フォーマルウェア」とも呼ばれます。

冠婚葬祭とは、具体的には以下の行事を指します。

冠:人生の節目のお祝い事全般の事を言い、成人式、お宮参り、節句、七五三、入学、就職なども、この言葉に含まれます。

婚:婚礼に関わること全般。結婚式、披露宴をはじめ、最近は少なくなりましたが、結納なども含まれます。

葬:葬儀全般のことで、お通夜、告別式、法事法要を指します。

祭:現代では、式典や祭典などの行事を指します。現在の法事、お盆、正月、七夕、節分、お彼岸、お中元・お歳暮などの一年の節目の行事などです。

以上のように、礼服は冠婚葬祭全般の行事に着用する、改まったシーンに適した服装であると考えましょう。

礼服と喪服の違いは?

お葬式やお通夜への参列の際、礼服と喪服の違いについて悩まれた経験がある方もいるのではないでしょうか。

ここでは、礼服と喪服の違いについて解説します。

喪服は礼服の一種

まず、喪服は礼服のカテゴリーの一種であるといえます。

礼服は「冠婚葬祭全般で着用できる服」と解説しましたが、一口に礼服といってもさまざまな種類があり、このうち弔事で着る礼服のことを喪服といいます

また、意味合いとしては、冠婚葬祭の中でも特に「葬」のみで着用される衣服のことを喪服と呼ぶこともあります。

兼用は可能?着用シーンの違い

喪服は弔事で着用する服を指し、礼服は冠婚葬祭に着用する服のことを指します。

生地や素材、デザインによっては、結婚式と喪服で同じスーツを兼用してもマナー違反とはなりません。ただし光沢感のあるものや素材、デザインによっては弔事に適さないものもあるため、十分注意しましょう。

礼服の種類

礼服には、「正礼装」「準礼装」「略礼装」の3種類があります。出席する式典の格式・立場・時間帯などによって、着用すべき礼服は異なります。

シーンごとに適切な礼服を着用できるよう、それぞれの違いを押さえておきましょう。

・正礼装(モーニングコート・燕尾服)
・準礼装(ディレクターズスーツ・タキシード)
・略礼装(ブラックスーツ・ダークスーツ)

1つずつ解説していきます。

正礼装(モーニングコート・燕尾服)

正礼装は、礼服の中でも最も格式の高い装いです。

昼に着用する「モーニングコート」と夜の正礼服「燕尾服」の2種類があり、午前中〜PM6:00までの正礼装をモーニングコート、PM6:00以降(※)の正礼装を燕尾服(テールコート)といいます。

例えば、結婚式では新郎や両家の父親、葬式では喪主に当たる人が着用することが多いです。

※冬場においては、PM5:00

準礼装(ディレクターズスーツ・タキシード)

準礼装とは、昼間に行われる慶事に着用する正礼装で、例えば結婚式では、主役である新郎、両家の父親、媒酌人などが着る装いです。

また、昨今は弔事で喪主にあたる人の服装としても着用されています。

略礼装(ブラックスーツ・ダークスーツ)

略礼装(ブラックスーツ・ダークスーツ)は、礼服の中でももっともポピュラーなスタイルです。「平服」というキーワードがあれば、この略礼装のことを指します。

また、略礼装には昼夜の区別がないため、幅広いシーンで使えて汎用性の高い着こなしを楽しめます。

なお、弔事ではブラックスーツ(礼服)を着用しましょう。弔事の中でも告別式はブラックスーツ、お通夜ではダークスーツが本来のマナーです。

喪服の種類

以下では、喪服の種類を解説します。喪服には、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があります。

・正喪服(モーニングコート・和装)
・準喪服(ブラックスーツ)
・略喪服(ダークトーンのスーツ)

それぞれの違いや特徴について解説していきます。

正喪服(モーニングコート・和装)

正喪服は、喪服のなかで最も格式の高い装いです。喪主を含め、葬儀の主催側である立場の人が着用します

ただし、喪主だからといって必ず正喪服を着用しなければならないわけではありません。特に昨今では準喪服や略礼服が主流となってきており、実際の弔事で正喪服を着用する方は少数派となっています。

準喪服(ブラックスーツ)

準喪服とは、弔事における正喪服の次に格式高い装いです。男性の場合、ブラックスーツがこれにあたります。

礼服のブラックスーツと基本的には同じ作りであり、結婚式などの式典と弔事とで兼用できます。ただしビジネスシーンで着用する黒色のスーツとは色や素材、光沢感などが異なるため注意しましょう。

略喪服(ダークスーツ)

略喪服は、一般の参加者が弔問や法要などで着用する喪服です。準喪服と違ってビジネススーツとの兼用で問題ありませんが、スーツのなかでもネイビーや黒などダークトーンのものを着用するようにします。シャツはホワイトの無地を着用すれば問題ありません。

柄の入ったカジュアルなスーツは避けるようにしましょう。

礼服と喪服・ビジネススーツの違い

礼服と喪服・ビジネススーツの違いを以下の表にまとめました。行事の種類や出席する際の立場、時間帯などによって着用すべき礼服は異なります

また、ダークトーンのビジネススーツを慶事や弔事で着用することは可能です。ただし結婚式ではドレスアップして華やかさをプラスする、弔事ではシンプルな装いで故人を悼む気持ちを表すといったように、着用シーンに合わせて小物や着こなしを調節しましょう。

格式時間帯慶事弔事
モーニングコート最上位日中⚪️⚪️
燕尾服最上位⚪️⚪️
ディレクターズスーツ日中⚪️
タキシード⚪️×
ブラックスーツ⚪️⚪️
ダークスーツ
ビジネススーツ※ダークトーンのもの

初めての礼服・喪服にはブラックスーツがおすすめ

初めて礼服を購入する方には、汎用性の高いブラックスーツをおすすめします。ブラックスーツであれば喪服として着用できるだけでなく、結婚式にゲストとしてお呼ばれした際にも重宝します。

着用シーンに合わせてネクタイや小物は付け替える必要がありますが、ブラックスーツを1つ揃えておけば通常の冠婚葬祭での装いに困りません。

もちろん、正礼装としてモーニングコートや燕尾服を着用することも素敵です。しかし昨今では厳格な着こなしを求められる機会は以前ほど多くはなく、ブラックスーツでも十分対応できるシーンがほとんどです。

一着目として購入する際はブラックスーツを選び、その後必要に応じてモーニングコートや燕尾服を買い足していくと良いでしょう。

慶事で礼服を着用するときのマナー

ここからは、礼服の着用マナーを解説します。まずは慶事で礼服を着用する際のマナーを見てみましょう。

・靴・鞄は光沢感のある上品な素材がおすすめ
・上品で華やかな装いを心がける
・レディース|アクセサリーは光り物は夜のみ

それぞれ解説していきます。

靴・鞄は光沢感のある上品な素材がおすすめ

フォーマルな式典や結婚式では、靴や鞄は光沢感のある上品な素材がおすすめです。カラーは黒が基本ですが、クラッチバックなどはスーツに合わせてネイビーやブラウンなどの色を取り入れても、統一感が生まれて華やかな印象になります。

礼服に合わせる靴と鞄については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

プロに聞いた結婚式でのスーツに合わせる靴の選び方

結婚式 あなたは手ぶら派?それともバッグ・カバン派?

上品で華やかな装いを心がける

慶事の礼服では、上品で華やかな装いを心がけましょう

例えば喪服と兼用でブラックスーツを着用する場合でも、ベストを着るだけで一気に華やかさがアップし、格式高い装いになります。

また、ネクタイはシルバーやホワイト、シャンパンゴールドなど、華やかなカラーのものを選ぶのがポイントです。

小物使いについて気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。

プロに聞いた「結婚式でスーツに合わせるネクタイの選び方とマナー、NG集」
結婚式のスーツにはベストの着用がベストな選択!

レディース|アクセサリーは光り物は夜のみ

昨今ではカジュアルな式典が増えているものの、レディースの場合、昼間の式典では光り物のアクセサリーは控えるのが本来のマナーです。パールやシルバー、天然石など、輝きの控えめなアクセサリーを選ぶようにしましょう。

反対に、夜のパーティーではゴージャスなジュエリーで華やかな装いにするのがマナーとなっています。

喪服を着用するときのマナー

続いて、喪服を着用するときのマナーを解説します。

慶事の式典では華やかで上品な装いをすることでお祝いの気持ちを表しますが、喪服ではシンプルかつ質素な服装で参列することで故人を偲び、弔います。

・靴・鞄はシンプルな黒が基本
・清潔感のある装いを心がける
・レディース|アクセサリーは控えめに

それぞれについて見ていきましょう。

靴・鞄はシンプルな黒が基本

鞄や靴はシンプルな黒が基本となります。デザインはつま先に横の切り替えが付いた「ストレートチップ」、もしくは切り替えなしの「プレーントゥ」を選ぶようにしましょう

飾りのあるウィングチップやカジュアルなデザインの靴はふさわしくないため、避けるようにします。

清潔感のある装いを心がける

慶事の礼服でもいえることではありますが、喪服では特に清潔感のある装いを心がけることが重要です。

例えば髪型は前髪がかからないようにして、長さがある場合はワックスやジェルで横に流すようにします。耳もできるだけ出すようにしましょう。ロングヘアの場合はおじぎや焼香の際に邪魔にならないよう、1つにまとめることをおすすめします。

遺族をはじめ、周囲に配慮した清潔感のある装いを目指しましょう。

レディース|アクセサリーは控えめに

正喪服以外の場合は多少のアクセサリーを着ける場合がありますが、あくまでも喪服は喪に服するための装いです。派手なものや目立つアクセサリーは避け、控えめなものを選ぶようにしましょう

結婚指輪や真珠、黒真珠などのネックレスやイヤリングは着用して問題ありません。

礼服・喪服ならスーツセレクトにご相談を!

礼服と喪服の概要や、それぞれの種類、違いについて解説しました。礼服と喪服の種類を知った上で、格式やお呼ばれのシチュエーションに合わせたものを選ぶと良いでしょう。

また、礼服や喪服の着用シーンではそれぞれマナーがあるので、年齢や立場に合わせたものを選ぶ必要もあります。

初めての一着を選ぶ場合には、礼服としても喪服としても着用可能なブラックスーツを選ぶことをおすすめします。価格が気になるところかとは思いますが、安易に安さだけで決めるのではなく、汎用性の高いアイテムとして長年愛用できる一着を選ぶことがポイントです。

可能であれば、実際にスーツショップへ足を運んで、販売員とよく相談して購入することをおすすめします。

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