シャツのご家庭でのアイロンがけ徹底解説

SHIRT MAINTENANCE GUIDE #02 シャツのアイロンがけ方法

はじめに

毎日着るシャツ。実は上質な素材ほどデリケートな素材が多く、クリーニングでの高温・高圧プレスが少しずつダメージを与えると言われています。シャツそのものの風合いや寿命、シルエットを守るためには手間ではありますが、水洗いの方が良いでしょう。
しかし、洗ったはいいものの…一番のネックが「アイロン掛け」なのではないでしょうか。
昨今では、形態安定シャツが増えてきたとはいえ、まだまだアイロンが必要なシャツが多いはず。また、一般的には、天然素材の風合いや発色の良さがウリのドレッシーなシャツほど、アイロンがけが必要だと言われています。
手間と時間がかかるイメージが強いアイロン掛けですが、コツをつかむと簡単に楽しくお手入れをすることができます。
このページでは、一般的なドレスシャツのアイロンがけの方法・基本の「き」をご紹介します。
大切なシャツのためにスーツセレクトがおすすめするドレスシャツのアイロン術。
ぜひ、参考にしてみてください。

用意するもの

アイロン
アイロン台
水霧吹き(お好みでしわ取り剤や、のり剤など)
あて布(必要な場合)
タオル

シャツは、半乾きの状態から始めるとしわをスムーズに伸ばせます。乾いている場合は水霧吹きなどで湿らせたり、アイロンのスチーム機能を使いながら進めると良いでしょう。
基本的には水スプレーや蒸気で十分ですが、アイロン用のミストやリネンウォーターなども有効です。しわ取り剤はアイロンすべりが良くなりますし、のり剤は袖口や襟などをキチっと固めてくれます。お好みで上手く活用しましょう。注意点は、ミストやリネンウォーターはスプレーボトルでの使用を原則とし、アイロン本体には入れないこと。故障の原因になります。

洗濯絵表示の確認

洗濯絵表示の画像

お手持ちのシャツによってアイロンの可否や使用できる温度、あて布の必要があるかなどのお取り扱い方法が異なります。多くのシャツは身頃の内側や前立て裏など、製品のどこかに品質表示や証紙が貼られていますので確認してみましょう。

アイロン掛けの注意点

カラーステイ(カラーキーパー)を外す

多くのドレスシャツは襟の先にプラスチックや熱に弱い樹脂などでできたキーパーが付属しています。このキーパーは襟裏から取り外せることが多いので、取り外してからアイロン掛けをしましょう。縫い付けタイプの場合は品質表示を確認し、アイロンが使用できる場合でもあて布をするなど、キーパーが溶けないように十分気を付けながらアイロン掛けをします。

温度管理

多くの家庭用アイロンは「低温・中温・高温」の設定ができるようになっています。低温は80~120℃ぐらい、中温は140~160℃ぐらい、高温は180~210℃ぐらいの設定です。
注意が必要なのは、「高温から低温に下げるとき」と言われます。加温しながら温度を下げる場合、実は温度が下がるまでにとても時間がかかり、温度が完全に下がっていないと大切なお洋服を傷つけてしまうこともあります。
低温指定のシャツのアイロンをかける場合は、高温からの温度調整はできるだけ控えましょう。

ボタンのケア

天然素材のボタンは熱に弱いものが多いため、アイロンが直接触れないように気をつけましょう。
後ほどの工程で、ボタンに注意しながらアイロン掛けを行う裏ワザ情報をご紹介します。

アイロンがけの工程

アイロンがけは、
湿らせる→加温プレス→乾燥と冷却が基本です。
小さな部分から大きな部分に向かって順番に進めましょう。
①襟 ②袖口 ③袖 ④肩 ⑤身頃(左前身から)

襟 COLLAR

襟のイメージ画像

カラーステイ(カラーキーパー)を外し、開いた襟を左右それぞれから半分ずつ中心に向かってアイロン掛けします。基本は表側(着た時に外に出る側)のみで大丈夫ですが、色が濃いシャツや何度もアイロンしていくうちにテカリが気になる場合は、表は避けて裏側からかけたりあて布をしてプレスすることをおすすめします。

袖口(カフス) CUFF

袖口イメージ画像

袖口はすべてのボタンを外し、開いてアイロン台に置きます。ボタンのついているカフスの外側を両端からしわが入らないように掛けます。外側をかけたらカフスを裏返し、内側も両端からしわが入らないようにアイロンの先端を使いながら掛けます。ボタンはアイロンの先が触れないように注意します。
この時、カフスからつながる剣ボロやプリーツ(袖のスリットを作るための装飾)がある場合はしっかり揃えてプレスしましょう。
最後に、仕上がりを立体的に良く見せるために「あんこ」や「まんじゅう」・「仕上げ馬」などと呼ばれる手首の代わりになる立体的なクッションを挟んでふんわりとプレスすると自然な仕上がりになります。クッション材がない場合には、タオルなどをのり巻き状に丸めて代用できますので参考にしてみてください。

 SLEEVE

袖のイメージ画像

袖は、脇縫い線に合わせて畳みます。袖口側から脇に向かって丁寧にハンドプレス(手アイロン)してからアイロンを当てましょう。
袖山(脇縫い線で畳んだ時にできる折り目)がプレスされてしまうと、着用したときに不自然な折線ができてしまうので、折り目にあたる部分はアイロンを浮かせながらスチームを上手く使ってかけましょう。

 SHOULDER

肩のイメージ画像

肩(ヨーク)部分は立体的に縫われていてアイロンが難しい箇所のひとつです。
アイロン台の端に肩をかけるように左右それぞれ首元側から肩先に向かってかけていきます。襟は立て、生地にしわが入らないように気をつけましょう。

身頃 BODY

身頃のイメージ画像

右前身頃(ボタンがついている方)からかけましょう。丁寧に手のひらでハンドプレスをしてしわを減らしてからのアイロンがきれいにできるコツです。ボタンの間はアイロンの先を使ってボタンを傷つけないように注意しながらかけます。
貝ボタンはもちろん、樹脂ボタンなど熱やプレスに弱いボタンは意外と多いので、慎重に行いましょう。一般的なポリエステルボタンは150℃、樹脂系ボタンは130℃、アクリルボタンは70℃が耐熱温度の目安と言われていますが、製品によって若干異なりますのでできるだけ衝撃や熱を加えないようにしましょう。
ボタンを守るアイロン掛けテクニックのひとつとして、タオルを使った方法があります。
具体的には、タオルをのり巻きのように縦長に丸め、ボタンが乗るように裏返しをして乗せ、上からあて布を被せてサンドイッチし、アイロンをかける裏技もあります。
ボタンを守りながらしわを伸ばせる方法なのでおすすめです。

身頃全体は、裾に向かってアイロンをかけると生地に逃げ道ができてきれいに仕上がります。
一度にかけきれない場合は、下身頃~上身頃と、一番目につく場所を最後にかけるように分けて行いましょう。

後ろ身頃も、ダーツやプリーツがある場合がありますので、手のひらで形を整えてから丁寧にアイロンを滑らせます。
身頃同士の縫い合わせ部分は、縫い目を伸ばすように引っ張りながら掛けます。

さいごに、左前身頃(ボタンホールがある方)をかけて完成です!
前立て部分はシャツの顔になりますので丁寧に行いましょう。
また、アイロン後は形の定着のため、冷めるまでしばらく置いてからの着用をおすすめします。

まとめ

シャツが部屋にハンガリングされている画像

いかがでしたでしょうか。
このページでは、「一般的なドレスシャツ」のアイロン方法について説明させていただきました。
掛け方ひとつで見た目の印象が大きく変わるアイロンですが、ポイントをつかめば比較的簡単に行えます。ぜひ、参考にしてくださいね。

ここでおすすめ商品のご紹介をさせていただきます。
アイロン掛けをする優雅なひと時…。アイロン掛けは生活を彩りあるものにしてくれます。
しかし、毎日シャツを着る人にとっては、どうしてもアイロンがけができないときもあると思います。そんな時ときに役に立つ、アイロン要らずのシャツを数枚用意してみてはいかかでしょうか。

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