スーツは何で洗う?ウォッシャブルスーツの洗濯洗剤選びの基本

SUIT MAINTENANCE GUIDE #4 スーツの家庭洗濯での洗剤選び

はじめに

きちんと洗濯したはずなのに全然汚れが落ちていない…
せっかくお気に入りだったのに手触りが変わってしまった…
いつもよりも早く傷んでしまった…
ご家庭でのお手入れで、このような経験をされた方は多いのではないでしょうか。

時代とともにホームクリーニングできるアイテムが増え、ご家庭での洗濯が一般的になりつつありますが、洗濯洗剤の種類や効果について知る機会は多くないと思います。
このページでは、SUIT SELECTでお買い物いただいたスーツやシャツ、セーターなどを長く大切に愛用いただきたい思いで、一般的な洗濯洗剤の基本をご紹介して参ります。
ぜひ、ご家庭でお洗濯する際の参考になさってくださいね。

お洗濯する前に

洗濯を行う前に、洗濯して良い製品なのかアイロンが必要な製品なのかなどの取扱表示を確認しましょう。
現在の洗濯絵表示は国際規格に合わせた新JIS(日本産業企画)でイラストで見てわかりやすい表示になっています。
洗濯機で洗えるマークは下図の桶のマークです。洗えない製品の場合はこれに✕印が入ったマークになります。手洗いのみできる場合は手のイラストが入ったマークになります。

また、処理できる温度や強弱もマーク内に数字や下線で表わされています。

数字は水温の上限になります。(画像の場合は40℃上限)
一般的に汚れの落ちやすい温度は40℃〜50℃と言われますが、製品によって耐熱温度が異なりますので、製品ごとに上限を表示しています。注意して確認しましょう。
ちなみに40℃はお風呂を想像いただくとイメージしやすいです。心地よい入浴温度の目安になります。
30℃は、真夏の水道水に近いぬるめの温度です。水温のイメージを体感で持っておくと安心ですね。
下線については、桶のマークに下1本線で弱い処理、2本線で非常に弱い処理を表します。一般的な洗濯機に置き換えると…

1本線の弱い処理 → 洗濯機の「弱」や「弱水」
2本線の非常に弱い処理 → 洗濯機の「ソフト」や「ドライ」

また、「中性洗剤使用」・「洗濯ネット使用」・「あて布使用」などの注意書きも確認しておきましょう。

汚れの種類

洗濯で汚れを浮き上がらせて落とす役割を果たしてくれるのが洗濯洗剤ですが、実は洗濯洗剤は汚れの種類によって得意、不得意があります。どういった汚れに強い洗剤なのかを把握することで適切な対応ができるので、ぜひ参考にしてください。
汚れの種類は一般的には、「水溶性」「油溶性」「不溶性」があります。

「水溶性」
コーヒーやジュース、醤油やアルコール、汗や血液など

水に溶けやすい性質の汚れで、洗えばすぐに落ちるものの放置するとシミの原因になる性質があります。
水溶性の汚れには、中性洗剤・アルカリ性洗剤 などを用います。
できるだけ汚れが定着する前に処理をすることが汚れを落とすコツです。
シミができてしまった場合は、布やティッシュなどを使って擦らず叩き落としをしましょう。

「油溶性」
油を含んだ食べ物の汚れ、ファンデーションやリップグロスなどの化粧品、皮脂やワックス、自転車やバイクなどのグリースやオイルなど

油汚れは、水で洗い落し切るのが難しい汚れと言われます。
基本的にアルカリ性の洗剤を用いることが多く、油分は冷えると固まる性質があるため、温水洗いが効果的です。
そのため、汚れの状況によって専門店でクリーニングをお願いするかを都度検討していくことが大切になります。

「不溶性」
泥や砂、土などの汚れ、香水やインク類、墨汁など

水や油に溶けない性質の汚れです。
はたいて落とせる汚れは乾いた状態でブラシなどでしっかり叩き落としましょう。特に砂などは細かく、繊維の奥まで入り込んでしまった状態で水分を含んでも流れ落ちずに定着につながってしまうこともあります。
日常のお手入れでブラッシングをしていくだけでも十分効果があります。
インクや香水など特殊な汚れは、シミ取り剤や漂白剤、固形石鹸でのもみ洗いなど特殊な方法で部分洗いなどで落とします。専門店にお任せすることも視野に入れてケアしましょう。

洗剤の性質

市販の衣料品の洗濯洗剤の性質は大きく分けて「中性洗剤」「弱アルカリ性洗剤」の2つのタイプがあります。
それぞれの特徴をまとめました。

中性洗剤

デリケートなお洋服向け
洗浄力よりも色合いや風合いを守る効果に特化
洗える表示のシルク・ウール・レースなどに適している

繊細なデザインで直接肌に触れる面積の少ないセーターやレーススカートなどをお洗濯するときにおすすめです。

弱アルカリ性洗剤

中性洗剤に比較して洗浄力が高い
主にコットンやリネン、ポリエステルなどの普段着で用いる
多くのアルカリ性洗剤の中に含まれる界面活性剤がお洋服と汚れの間に浸透し、汚れを落としてくれます。

洗浄力が高い分、繊維へのダメージが少なからずありますので、肌触りや風合いの変化を避けたい場合は中性洗剤の使用をおすすめします。

洗剤の種類

洗濯洗剤は、「粉末」「液体」の2つに分かれています。最近では「ジェルボールやスティック」などの第3の洗剤と呼ばれる開発商品がたくさん売られているので何を選んだらいいか迷ってしまいますよね。

粉末洗剤

洗浄力が最も高くコスパが良い一方、水に溶けにくいので良く溶かして使う必要があり、すすぎの回数が増えます。
白いワイシャツや、タオルなど比較的丈夫なものを洗うのに適しています。

液体洗剤

水に溶けやすく時短で手軽に扱える洗剤です。
すすぎの回数が粉末洗剤より少なく節水効果があります。粉末洗剤よりはコスパは劣ります。

ジェルボール/スティック

水に溶けやすく、時短で手軽に扱える新しいタイプの洗剤です。
すすぎの回数が1回など、泡立ち剤も改良が進み、汚れ落ちや節水効果が高くエコ。メリットが高い分、比較的高価であることや少量洗いができないなどのデメリットもあります。

固形石鹸

固形石鹸は全体洗いと言うよりも、汚れが目立つ場合の部分洗いなどに適しています。部分汚れは、つけ置き洗いをするだけでその後の汚れ落ちが大きく変わります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
このページでは、ご家庭でウォッシャブルスーツやシャツなどをお洗濯するときに使用する洗濯洗剤について解説いたしました。

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ぜひ、店舗で商品をチェックしてみてくださいね。また、購入後のお手入れに迷われたときはお近くのSUIT SELECTまでお気軽にお問い合わせくださいませ。